仏前結婚式
                                              更新 平成15年11月1日
 
◇はじめに
日本の結婚式は、いまほとんど教会やチャペル、神前での法式であって、仏前結婚式はあまり行われていないのが現状です。
〜美しい心と心の出会い〜 それは決して偶然ではなく、私たちの思いもおよばない大きなはからいと、深い縁(えにし)によるものなのです。
結婚の話がまとまることを、よく「縁談が整う」といいますが、これは「因縁」という仏教の言葉に由来致します。
めぐり合ったふたりは、以前から結婚することを因縁づけられていて、その因縁が熟してここにめでたく結ばれたーという立場に立って行われるのが仏前結婚式です。
私たち仏教徒は家庭においてお仏壇を中心とした生活を送るわけですから、ご先祖様から「美しい心」と「温かい血」を受けついでいることに感謝して、み仏の御前において、新郎・新婦が新しい人生の門出に「固い契り(ちぎり)」を誓い合う仏前結婚式は意義深く、自然であると言えるでしょう。
ここに仏前結婚式とはどのように進行するのかご紹介致します。


◇式次第(約30分)
  一、 新郎新婦・媒酌人着席
新郎新婦は媒酌人に伴われて、ご本尊様の正面に入場する
  二、 式師(七下鐘入堂)
  三、 開式の辞
  四、 礼拝(献香三拝)
式師に合わせて参列者も合掌礼拝をする
  五、 啓白文奉読(ご本尊様にご報告)
式師は仏前に両人の成婚を報告し、ご加護をお願いする
  六、 洒水灌頂(浄めの式)
式師は法性水で二人の身と心を清める
  七、 寿珠授与(睦みの式)
式師は寿珠をお香に薫じて、二人に授与する
  八、 三帰礼文唱和(帰依の唱え)
    (式師)自ら仏に帰依し奉る
      (一同)まさに願わくは 衆生と共に 大道を体解して 無上意をおこさん
    (式師)自ら法に帰依し奉る
      (一同)まさに願わくは 衆生と共に 深く経蔵に入りて 智慧海の如くならん 
    (式師)自ら僧に帰依し奉る
      (一同)まさに願わくは 衆生と共に 大衆を統理して 一切無礙ならん 
  九、 盃事(固めの盃)
新郎新婦の盃 両家固めの盃
  十、 新郎新婦誓約(誓いのことば)
誓約文 新郎新婦、式師の押印
十一、 式師示訓(おさとし)
十二、 報恩諷経(先祖報告)
仏前に両人の成婚を報告し、両家の繁栄と健康を祈願する
十三、 礼拝(三拝)
十四、 閉式の辞
十五、 式師退堂
十六、 新郎新婦・媒酌人退堂
十七、 記念写真撮影(本堂にて)
□披露宴(別会場にて)

◇おわりに
ここに掲げた例は、平成13年 林昌寺でおこなわれた私の息子の結婚式であります。式師は本寺 観音寺御住職 稲垣智正老師、媒酌人に慈光寺御住職夫妻、その他教区御寺院方の協力によって挙式の運びとなりました。
私たち仏教徒の仏前結婚式の良さを多くの方々に知っていただければ幸いです。
合掌!!